植毛部のかさぶた
自毛植毛について調べていくと、「かさぶた」が一時的にできるというデメリット問題に直面します。
かさぶたは見かけが悪くて、扱いに注意が必要……とりあえず良い印象は何もないですから、植毛はやはりハードルが高い治療法だと感じ始める方もいらっしゃると思います。
ですが、実のところ、かさぶた問題は正確な知識と対処法さえわかれば、それほど敬遠したいとは思わなくなる人もいます。
むしろ、そうなる意義が分かるなら甘んじて受け入れられ、楽しみにすることさえできるかもしれないんですね。
しかも、かさぶたが絶対に嫌ならそれをほぼ回避できる方法さえあります。
植毛歴約20年のカールがお届けするカサブタ真相リポートをどうぞ最後までお楽しみください^^
植毛【かさぶた】問題の実態
植毛は人口毛と自毛を利用した2種類の方法がありますが、カサブタについては主に自毛植毛だけに当てはまる問題です。
人口毛植毛では毛を植えた瞬間から髪型が完成し薄毛を即刻卒業できるというメリットはあるものの、身体に相当の負担をかけることは別記事でもお伝えしているとおりでお勧めできない方法です。
人口毛ではかさぶたが形成されることはありませんが、植えた後に成長することがないため、毛の根本付近に皮脂や細かいゴミが貯まりやすく、シャンプーの際に専用粉を使用してそれらを洗い流す手間暇が必要になってきます。
こうしたデメリットは施術の契約が決まるまで知らされないこともあり、僕も含めて苦々しい気持ちを味わってきた人たちがいます。
一方、自毛植毛においては、術後の経過として「かさぶた」が必ずできる、とされています。
出典:New Hair Institute自毛植毛術後の一例
植えた1株1株の根元に極めて小さいかさぶたが形成され、中には出血の関係で数か所にわたって少し大きめのカサブタができる場合もあったりします。
クリニックの技術力や本人の体質に応じて個人差はありますが、自毛植毛ではこのようにして「かさぶた」ができる過程を必ず経験しなければいけません。
じゃあ、
- 自毛植毛ではどうして「かさぶた」ができるんでしょうか?
- どれくらいの期間が経てば取れるんでしょうか?
- かさぶたを早く取る方法は?
- 人にバレない実際的なごまかし方は?
- 完全にかさぶたを回避できる方法はあるの?
以上のテーマを中心に「かさぶた」の真相に迫っていきましょう^^
自毛植毛で「かさぶた」ができる理由
①出血によるかさぶた
植毛は外科施術の一種で、髪を植えるところにスリットと呼ばれる毛穴を開け、そこに新しい毛根の植え付けをしていきます。
毛穴のサイズは1ミリ前後(自毛の太さで変わる)と極めて小さいとはいえ、施術中や術後に少量の血がにじみ出てくることがあります。
スリットを入れる際に出血はつきもの
術中でしたら医師や看護師さんがふさわしく拭き取ったり洗い取ったりしてくれますが、人によっては血が頻繫に出てくる場合もあります。
ちなみに、僕自身も術中には血が多めに出てきたほうで、看護師さんはしょっちゅう拭き取りながら植え付けをしてくれました。
そうした血液が移殖毛の根元に付着すると、2,3日かけてゆっくりと「かさぶた」が形成されていくことになるわけですね。
「かさぶた」は普段転んだり、ひっかいたりした時にもできる身近な現象ですが、自毛植毛でできる血の塊の「かさぶた」もそれと同じような意味を持っています。
つまり、身体の回復過程の一つで、出血を止め、悪い雑菌が入らないようにし、傷を塞いで元通りにする役割があります。
このことをちゃんと理解しておけば、植毛の際にも「かさぶた」をウエルカムモードで迎えられやすくなるんじゃないでしょうか^^
②体液によるかさぶた
実は、自毛植毛では血が目立って出ていない場合でも、基本的に「かさぶた」はできます。
これは簡単に言えば、体液による原因です。
傷口ができますと、滲出液(しんしゅつえき)と呼ばれる細胞の成長を促す因子(傷を治す成分)を多く含んだ体液が中から出てきて一斉に治癒活動を始めます。
身体が本来持っている創傷治療現象の一つで、理想的には、潤いを保ったまま滲出液の中で表皮細胞が増殖しやすい状態を保つのが一番良いんですが、自然の傾向で次第に乾燥して、体液も「かさぶた」に変わっていきます。
血液がほとんど伴わない体液だけのかさぶたの場合、色は赤の塊ではなく、白っぽくなります。
いずれにしても、術後から2,3日のうちにかさぶたが形成されていきます。
カールが初めて自毛植毛を受けた約20年前はスリット(穴あけ)サイズが比較的大きかったのでかさぶたもそれに比例する形で大きかったんですが、現在ではかなり小さくなっています。
術後2〜4日は血と一緒に混じり赤黒っぽく、5〜7日ごろには茶色や薄っぽい褐色に変化していきます。
術後3日経過で赤黒さが残っているかさぶたの形成段階
植毛の【かさぶた】期間と取れるタイミング
平均的な相場ですと、植毛後にできるかさぶたは施術後3日目以降から目立った形成を始め、5〜7日目ごろには完全なかさぶたになり、早いものでは1週間を過ぎたあたりからポロポロと取れ始めていきます。
取れ始めると、一斉に2,3日でなくなりますが、ほとんどのケースでは10日〜2週間ほどで完全に脱落して移植した髪だけが残ります。
かさぶたが取れるときに移殖した髪も一緒にくっついて抜けることがあるため、ちゃんと毛根組織が生着したのかどうか不安になりやすい場面に出くわす時もあります。
しかし、たとえそのような場合でも過度に心配する必要はありません。
通常、移殖した毛根組織は術後1~2週間経過すれば定着していると考えられるからです。
現にカール自身もシャワーの際にしばしば移植毛がついた「かさぶた片」を目撃しましたが、抜け落ちたその箇所からも、後日しっかり発毛が見られました^^
移植毛の付いたかさぶたが自然脱落しても定着に影響はなし
いずれにしましても、植毛術後にできるかさぶたは術後2週間以内の期間を目安に自然と取れていきます。
植毛【かさぶた】にまつわるリアルなコメント
植毛を経験した先輩たちのリアルな報告を拝見するなら、かさぶた事情がどんな具合なのかが更にわかります^^
術後9日くらいからかさぶたが取れ始めましたが、そこに移植毛がついていますがそれは問題が無いんですよね?10日目からはかさぶたをとるようにしていますが(強く擦ったりはしていません。)これも問題は無いんですよね?
これは植毛クリニックに寄せられた書き込みの一部ですが、このコメントからは術後9日目でかさぶたが取れ始めたことがわかりますね。
生え際付近にビッシリかさぶたが残っており、触ると頭皮はカチカチな感じです。2週間ほどで取れるというので今が10日と考えるとそろそろ取れて欲しいところです。でも落とそうとすると毛もついてくるから不安なんですよね。あまり無理矢理落とすことはせずお風呂で軽く落としつつ、なるべく自然に落ちるのを待ちたいと思います。
「触ると頭皮はカチカチな感じ」というのは全くその通りで、かさぶたを撫でた時の感触はワニの皮のようなカチカチしたイメージがあります。
ちなみに、その後この方は17日目にして全部のかさぶたが取れたと報告していますので、かなり慎重にかさぶたを扱いながらシャンプーをしていたことが見てとれます。
以上の報告からもかさぶたは2週間前後で全部取れることが理解できるでしょう。(※ 個人差はあります。)
ということは、かさぶたが取れるまでの約2週間をどのように切り抜けるべきなのかを前もってプランニングしておくと、更に首尾よく対処することができるようになるということですね。
かさぶたを安全に早く取る方法はあるんでしょうか?
次にその点を詳しく検討していきましょう^^
植毛後にできるかさぶたの正しい取り方
かさぶたは何もしなくてもいずれ自然に取れていきます。
とはいえ、ほとんどの方が施術後まもなくしてお仕事や外出する必要がありますから、かさぶたをどうにかして速やかに処理したいと思われるはずです。
残念ながら、かさぶたを一瞬にして取るような特別な方法はありませんが、早く剝がすことができる秘訣はあります。
それが、
- なるべく濡らす
- 毎日シャンプーをする
この2点です◎
かさぶたは定期的にふやかせば早く剝がれ落ちることがわかっているんですね。
そのため、普段から霧吹きやスプレー状にしたお水をシュッシュッと吹きかけたり、1日の内に2回洗髪する方法なども効果的です。
もちろん、術後3日以内にゴシゴシと激しいシャンプーをすると、植えつけた移殖株が定着する前に脱落してしまう可能性があるため、簡単な洗髪にとどめておく必要はありますが、積極的にぬるま湯に浸けてかさぶた部位を濡らしていくことは、速やかにかさぶたを剝がす上で有効です。
例えば、湘南AGAクリニックでは「術後6日後までは洗面器にぬるま湯を浸してやさしく指のはらで洗ってください」というマニュアルが設けられていますし、他のクリニックでも「スプレーで霧状にして濡らす」「水圧の弱いシャワーで濡らす」「コップや洗面器でお湯を優しくかける」等の提案がされています。
神経質な方ですと、細かい部分で指示が違うと一体どの方法が良いのだろう?と少し心配になるかもしれませんが、そう指示されている原則をちゃんと理解しているなら、何も迷う必要はありません。
移植株を安全に守りながら頭皮を清潔に保ち、かさぶたをできるだけ湿らせておくことが重要なわけです。
ちなみに、アスク井上クリニックやヨコ美クリニックでは術後3日間で使用するかさぶた用の「スプレー」をプレゼントしてくれますので、この面でのアフタケアがしっかりしています。
以上の方法でかさぶたを早く取る工夫をしていくわけですが、かさぶたがまだ頭皮に付いている期間はどうやって目立たなくカモフラージュできるのかを知りたい、という方もおられると思います。
次に、この点についても考えてみましょう^^
植毛後のかさぶたをごまかす方法
かさぶたを隠す方法として提案されているのは大きく分けて4つあります。
- 既存毛を利用したヘアスタイルで隠す
- フリカケ(パウダー)を使用する
- カツラ使用者は外出するときにカツラを利用する
- 帽子やタオル・バンダナ等を身に着ける
一つ一つ解説していきますね^^
ヘアスタイルで隠す
今ある既存毛で移植仕立ての部位を隠すなら、かさぶたも自然と目立たないようにすることができます。
わかりやすいケースとしてはM字ハゲの人が植毛するパターンで、術後に前髪を下におろすなら、植毛部位のほとんどを隠せます。
エールさんの例
治療方法:湘南AGAクリニックの自毛植毛
施術の説明:ドナー(毛包)を後頭部から採取して株分けをした後にマイクロブレードで無毛部に新しい毛穴を作り1100株を移植した。
施術の副作用(リスク):一時的な痛み、赤み、熱感、抜け毛、くせ毛、つっぱり感、感覚の鈍さ、膨隆、腫脹、瘢痕等が生じる可能性。
施術の価格:69万8千円(モニター料金、税込)
※ 治療効果は人それぞれで異なります。あなた自身の植毛結果が他の症例と同じになることはありませんのでご注意ください。
完璧に隠すことができないとしても、前髪をこうして垂らすなら、立ち止まってじっと見られない限りは気づかれることがありません。
当時のエールさんは、「おでこの部分を人から何か聞かれたら、ニキビみたいな吹き出物が出来たみたいと言って、ごまかそうかと思います。」とコメントされています。
ご本人としても余裕のある対応ができていたことがわかりますね◎
専用のふりかけを使用する
「ふりかけ」という総称で親しまれているヘア・アイテムを使用することでもカサブタを目立なくさせることが可能です。
髪と同じ色をしたミクロの粉を頭にふりかけることで薄毛部位を隠すのが「ふりかけ」本来の目的ですが、かさぶた自体もわかりづらくなるので便利です。
市販されている製品ではミリオンヘアーやNaturerなどがメジャーです。
中には、そのようなアイテムを使ったら何か害があるんじゃないの?と心配になる方もいらっしゃるようですが、主成分がセルロースという天然の植物性繊維で、毛穴よりも大きい0.3㎜~0.5㎜の長さに調節されている理由から「頭皮に悪影響はない」とされています。
実際、植毛経験者がこれまでこうした製品を使って何か害を被ったとか、移植毛が定着しなかったとする報告はありませんので安心して利用することができます。
ただ、製品によっては ① 振りまいた後に強い風が吹くと粉が飛び散りやすい ② 粉が取れないようにスプレーで固める必要がある、などの制約が伴うため、その辺を承知した上で使っていく必要はあります。
かさぶたは既存の髪と同じ色の「振りかけ」粉でもカモフラージュ可能
ヨコ美クリニックなどでは植毛後に使うために開発されたアメリカ産の「ケラチンファイバー」というふりかけ製品を取扱っています。
ケラチンファイバーの「ケラチン」とは髪と同じ成分のたんぱく質のことで、使用する成分としては安全で理想的なものになります。
それでも、価格が4000円(税抜き)で大体2ヶ月くらい使えますから、かさぶたを隠すためだけに使用するなら余ってしまう可能性が非常に高く、スプレーで固める必要もあるので、すでに気に入った「ふりかけ」製品がある場合には、改めてこれを買いなおす必要はないかもしれません。
ミリオンヘアーやNaturerでしたらAMAZONなどで気軽に購入でき、ケラチンファイバーは植毛施術を受ける際などにクリニック内で直接購入するか、或いは、メールや電話で問い合わせしてから指定口座へ料金振込み後に郵送してもらうことも可能です。
ふりかけは植毛施術2日(48時間)後から使用解禁になるため、すぐに職場復帰をしなければいけないときなどには非常に役立つ心強いアイテムです^^
帽子やタオル・バンダナ・ヘルメットを利用する
かさぶたの最も簡単な隠し方は、帽子やタオルなどを利用することかもしれませんね。
僕自身もそうでしたが、家では基本的にタオルを巻いて過ごし、外出するときには帽子やそのままタオルを巻いている状態でした。
タオルでもオシャレにカモフラージュ可能
帽子やタオルをつけたままでも頭部は大丈夫ですか?と心配になる方もいらっしゃいますが、普通にしている分には全く問題ありません。
移植した部分を不必要に圧迫したり擦るようにしなければ大丈夫ですので、帽子やタオルでかさぶたを隠すことも非常に現実的な方法です^^
カツラを使用する
これまでカツラを装着して薄毛対策をしてきたのであれば、植毛施術後にカツラを利用しても大丈夫です。
術後の48時間以降であれば、カツラを使用し始めても問題ないため、術後から3日目に職場復帰をする際にはカツラを再び利用することが可能です。
ただ、カツラをひたすら装着し続けることには一定のリスクが伴い、まれに発毛が遅れたり、発毛率が低くなったというケースが観察されていますので、帽子やタオルのような感覚で、頻繫に外す時間を取っていくことは賢明です。
植毛でかさぶたを完全に回避する方法はある?
ここまでで、
- 自毛植毛でかさぶたができる主な理由
- かさぶたができる期間と取れるタイミングについて
- かさぶたを正しく早く取る2つの方法
- かさぶたをごまかす4つの秘訣
について検討してきました。
かさぶたを上手にごまかして早く取るように工夫できるなら大抵は問題ないかと思いますが、中には「かさぶたが一切できない方法で植毛をしたい!」と強く願っている方もおられると思います。
結論から言えば、自毛植毛は外科手術で血や滲出液が必ず伴う作業ですから完全にかさぶたができない方法はありません。
…が、大幅にかさぶたの形成を減らして、かさぶたがほとんど気にならない施術に成功しているクリニックは実在します。
それが、Nidoクリニックと湘南AGAクリニックの2院です。
それぞれアプローチの仕方が違いますので、簡単に説明します。
Nidoクリニックで植毛をするとかさぶたが出来づらい理由
現時点でこちらのクリニックだけが採用している方法として、モイストヒーリング(湿潤療法)と呼ばれるものがあります。
通常、皮膚に傷ができると自然にかさぶたが形成されて、その内部で徐々に傷の修復が行われて元に戻るわけですが、モイストヒーリング(湿潤療法)ではその傷を特殊な素材で密閉環境におくことで、乾燥を未然に防ぎ、結果、かさぶた形成を阻み体内から出てくる滲出液を常に保ったまま表皮の再形成を促すことができます。
出典:nido.comハイドロコロイドフィルム
具体的には、創傷被覆材として知られる↑ハイドロコロイドフィルム↑を使用して、それを傷口に貼ることでかさぶたができなくなり、体液が「水たまり」のように保たれて傷口の治りがカサブタを形成させる時よりも早く、仕上がりもキレイになるというメリットがあります。
出典:nido.comハイドロコロイドフィルムを貼った状態
ハイドロコロイドフィルムを貼ることでの創傷被覆材利用が、なぜ優れた効果をもたらすかと言うと、
出典:nido.com
上の比較画像で指摘されているとおり、創傷被覆材が一種のバリアとなる役割を果たして傷口との間に湿った体液(滲出液)が充満し、その中に含まれる細胞の成長を促す因子(傷を治す成分)を乾燥させずに効率よく働かせ続けることができるからです。
僕自身はハイドロコロイドフィルムを頭部に使用したことはないですが、以前に道で転んで手の平に5㍉~1センチ弱の傷穴ができたときにこの方法を利用したことがありました。
結果は、確かにかさぶたの自然修復よりも格段にスピードが早く、傷口もキレイに治ってかなりビックリしました。当初、友人の一人も「これは縫わなきゃ治らないね…」と言っていたくらいの深さだったんですが、1週間もせずに元通りに治ってしまった姿を見て言葉を失くしていました( ゚д゚)オーマイガッ・・・
以上の経験から考えても言えることですが、ハイドロコロイドフィルムを使用したモイストヒーリング(湿潤療法)はかさぶた形成よりも治癒スピードが早く、傷口の見た目も成績が良くなるのは間違いありません。
ただ、この記事のテーマである植毛の「かさぶた」問題に関して言えば、湿潤療法を採用することで全ての問題が解決することは考えにくいです。
というのは、そもそも自毛植毛を検討する多くの人が「かさぶた」を避けたいと願う背景には、他人にバレずに通常の生活に戻りたいという前提があるからではないかと思うんですが、
ハイドロコロイドフィルムを使用したモイストヒーリング(湿潤療法)を採用すると、かさぶたはできなくても、自動的に頭部が人の目に付きやすいことになってしまう可能性が高いからです。
出典:nido.com
ハイドロコロイドフィルムは違った意味で目立ちかねない
出典:nido.com
外出時に人の注目を浴びたくない場合には、ヘアバンドや帽子などでカモフラージュするなどの工夫が求められますから、たとえハイドロコロイドフィルムのおかげで「かさぶた」ができなかったとしても、結局はかさぶたが出来たときと同じような対処策を講じなければならなくなるという矛盾が生じます。
またモイストヒーリング(湿潤療法)を採用しているクリニックでは「生着率が良くなります」という宣伝をしてはいますが、事実上、それを裏付ける医学的論文はないことから、植毛医たちの間では「かさぶた」形成の比率と生着率には直接の関係はないとする見方が根強く残っています。
ということで、まとめてみますと、植毛後にハイドロコロイドフィルムを利用したモイストヒーリング(湿潤療法)を採用するなら、
- かさぶたはできにくい
- 感染を防ぎやすい
- 治癒のスピードが早くなる
この3点は期待できますが、
- 人の注目を集めやすい
というデメリットは残されたままです。
しかも、ハイドロコロイドフィルムは植毛施術後の約72時間ずっと貼り付けたままという原則があるため、事実上、不便な場面が通常よりも多くなると考えられます。
この点を比較した上でNidoクリニックが推進するモイストヒーリング(湿潤療法)を採用するべきかどうかを判断する必要があるでしょう。
湘南AGAクリニックで植毛をするとかさぶたができにくい理由
湘南AGAクリニックでは移植毛を植えるための新しい毛穴(スリット)を開ける際に、円形状のホールではなく、ブレード状のマイクロブレードを使用します。
出典:湘南AGAクリニックホールとブレード(刃)の違い
同じ条件下による移植毛の生着成果においては両者の方法に差が出ないことは実験で証明されていますが、ホールは形が丸い分、面積が大きいため出血しやすく身体に負担がかかりやすいと言われています。
一方、ブレードによるスリット(穴開け)ではホールに比べ面積が狭く小さくできるので出血が少なく、かさぶたが出来にくいというアドバンテージを持っています。
出典:湘南AGAクリニックマイクロブレード
日本人の髪は白人よりも太い傾向にありますが、湘南AGAクリニックの医師が開発したマイクロブレードは一人一人の太さに応じて0.1ミリ単位でスリットのサイズを調整可能です。
このため当人に一番適したサイズでスリットを開け、移植株をジャストフィットで植えつけられることから、かさぶたが出来にくいとされています
植毛術直後の当日
植毛施術5日後
植毛施術9日後
施術1ヶ月後
治療方法:湘南AGAクリニックの自毛植毛。
施術の説明:ドナー(毛包)を後頭部から採取して株分けをした後にマイクロブレードで無毛部に新しい毛穴を作り1100株を移植した。
施術の副作用(リスク):一時的な痛み、赤み、熱感、抜け毛、くせ毛、つっぱり感、感覚の鈍さ、膨隆、腫脹、瘢痕等が生じる可能性。
施術の価格:69万8千円(モニター料金、税込み)
※ 治療効果は人それぞれで異なります。あなた自身の植毛結果が他の症例と同じになることはありませんのでご注意ください。
いかがでしょうか?
ちなみに、ホール式で受けた植毛患者の場合のカサブタは以下のような状況です。
出典:アイランドタワークリニックホールによる術後例
マイクロブレードでスリットを開けたエールさんと比べ、若干ですが、血の塊が幾つか見られるかと思います。
もちろん、すべての施術例でこのように明らかな差が出るわけではなく、ドクターの技術力以外にも血圧や出血しやすいなど受ける患者の体質でかさぶた形成は左右されることも念頭に入れておく必要はあります。
ただ、少なくとも極細のスリットで毛穴のサイズと移植毛のサイズが同じ移殖孔を作るなら出血は最少で済みますので、かさぶたを目立たなくさせる技術面では有利と言えるわけですね。
この他にも湘南AGAクリニックでは、かさぶたにならないように「術後は綿棒を水で濡らして血を拭き取ること」、「血が乾いている箇所も濡れた綿棒で血を濡らして拭き取ることを徹底する」ようにアドバイスしてくれますので、こうした指示通りにケアをすることで、他のクリニックと比べても圧倒的に血の固まったかさぶたを回避することができるようになります◎
かさぶたが目立っていない例
植毛「かさぶた」問題のまとめ
植毛のかさぶたは施術後の2週間ほどにわたって直面する問題です。
過ぎてしまえばあっという間なので、「それほど心配する必要もなかったな^^」と感想を持たれる方が多いんですが、これから植毛を受ける方からすれば、いろいろシュミレーションしながら不安に感じる部分は多々おありかと思います(´∀`;)
それでも、かさぶた自体は何も身体に悪いことではなくて、移植毛の生着率にも全く悪い影響がないことを考えるなら、それほど敬遠しなくてもよい要素であることに気づかれるはずです。
大きな問題は、「不自然な形で目立ち、それがきっかけで植毛したことがバレたら嫌だ…」という心配ですが、手堅い方法としては、有休などを使い1、2週間ほどの長期連休を取るようにして、その期間を自宅でゆっくり過ごすことです。
中にはなかなか仕事を休めないという方もいらっしゃると思いますが、自毛植毛はあなたの一生に大きな影響を与える重要なイベントであることを考えると、仕事を調整する価値は十二分にあるはずですよね。
頭髪の抜け毛が気になるものの、毎日ノンストップで働き続けなければならないサラリーマン戦士。 とはいえ、薄毛コン …
ちなみに、当時の僕はゴールデンウイーク前に手術の予約を入れ、かさぶた期間中は家でゆっくり過ごしていました。両親と半同居のような生活だったんですが、手術前からタオルを巻いて過ごした作戦が功を奏したようで、植毛後は何も突っ込まれることなく普通に過ごすことができました。
なので、あれから20年くらい経つんですが、相変わらず家族の誰も僕が植毛したことを知らないままです^^
きっとあなたも何の問題もなくクリアできますから、ぜひがんばってくださいね^^
植毛の「かさぶた」にまつわるQ&A
こちらでは本編で扱われなかった内容で問い合わせの多い質問に対してお答えしていきます。随時増やしていきますので、必要に応じてご参考ください。
- かさぶたができないほうが髪の定着率は良くなるんですか?
- かさぶたと定着率は直接関係はありません。かさぶたが多くできても少なくできても髪の定着には影響を与えません。かさぶたができると、約2週間ほどは見た目が悪くなるというだけのことです。かさぶたが出来た場合ですが、生着するまでの最低3日間は無理に剥がしてしまうと、定着前の毛根も一緒に取れてしまい、移植毛が生えなくなる可能性があるため注意が必要です。一週間後以降であれば、自然と取れるかさぶたの中に移植毛が一緒にくっついていたとしてもほぼ心配は入りません。すでに毛根組織は定着していますので、ヘアサイクルを経て数か月後には生え始めます。
- 自毛植毛施術でかさぶたができない方法はすでに開発されていますか?
- 本編でも解説したとおりですが、自毛植毛は外科施術の一種で、必ず血の流出が伴う作業になります。簡単に言えば、血の通った皮膚に穴を開けてそこに新しい毛根を植えつけるわけですから、血の流出を回避する方法はありません。そうである以上、100%かさぶたを形成させない方法はかなり難しいのが現状です。Nidoクリニックが推進しているモイストヒーリング(湿潤療法)を行なうなら理論上かさぶたを回避することはできますが、ハイドロコロイドフィルムを貼ると違った形で目立つようになり、仕事復帰までの期間が更に長くなる懸念が出てきます。湘南AGAクリニックやヨコ美クリニックのように小さいスリットで出血を最小限にとどめ、こまめに綿棒などで根本を濡らすように心がけるなら、ほとんどかさぶたはできませんが、それでも完璧になくすことは無理ですし、本人の体質によってもバラつきが出るのが現状です。
追記:カールさんはどこの病院を利用されたんですか?という問い合わせが多くなってきたので、僕自身の症例もご紹介しておきますね。
↑M字ハゲ時代↑
治療内容 | FUT法で生え際付近に2250株の自毛植毛を実施。 |
費用 | 3回合計150万円(税抜) |
主な副作用・リスク等 | 一時的な痛み、赤み、熱感、抜け毛、くせ毛、つっぱり感、感覚の鈍さ、膨隆、腫脹、瘢痕等が生じる可能性。 |
注意点 | 植毛の結果は人それぞれで異なります。あなた自身の施術が他の症例と同じになることはありませんのでご注意ください。 |
↓自毛植毛した現在↓
施術から18年経過
現在もフサフサのまま^^
僕はヨコ美クリニックで植毛施術を受け、前髪を理想の状態にしてから、AGAの部位は育毛剤や発毛薬で守ってきました◎
なので、あなたも自分にふさわしい方法を見つけて取り組むなら、今の悩みを確実に解決していけるはずですよ。
カールはあなたの治療計画を本気で応援しています^^
こちらのページではヨコ美クリニックの気になる植毛施術の特徴・症例・費用等をどこよりもわかりやすく掲載いたします …
【植毛クリニック一覧表】
※ 費用欄は1000株移植したときの料金です。
※ 最終確認はご自身でお願い致します。
※ 無料カウンセリングは一覧表の「公式HP」から簡単に申し込みができます。
※ サイトの情報を利用し判断・行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。